「ギターの出力はハイインピーダンスだからバッファが必要」
「ローインピーダンス入力の機器に繋ぎましょう」
「インピーダンスが合ってないと音が痩せますよ」
…なんとなく耳にしたことはあるけど、「インピーダンスって何?」って思いませんか?
この記事では、インピーダンスとは何か?
そしてなぜギターやエフェクター、オーディオ機器で重要なのかを、やさしく解説していきます!
さらに、よく聞くけどちょっと難しそうな
「バッファの必要性」についても、初心者向けにしっかり解説しています。
インピーダンスってなに?
インピーダンス……名前からしてちょっと難しそうですよね。
高校で物理を学んだ方なら耳にしたことがあるかもしれませんが、「聞いたことはあるけどよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
たしかに名前はややこしいですが、実はそこまで難しいものではありません。
インピーダンスとは、一言でいうと…
電気の流れにくさを表す値
(単位はオーム:Ω)
です!
抵抗とインピーダンスの違い

「電気の流れにくさ」を表す2つの言葉
「電気の流れにくさ」といえば、抵抗(レジスタンス)という言葉もあります。
実は、
- 抵抗 → 主に 直流(DC)に対する流れにくさ
- インピーダンス → 交流(AC)や信号に対する総合的な流れにくさ
という違いがあります。
ちなみに直流(DC)と交流(AC)の違いはこちら
・直流(DC):電気が一定方向に流れる
👉 例:乾電池やACアダプターなど
・交流(AC):電気の流れが周期的に変わる(波のように変化)
👉 例:コンセントの電源、エレキギターの信号もこちら

インピーダンスは「見かけの抵抗」
ギターの信号のように、音声信号は直流ではなく交流であるため、ギターの信号に対する電気の流れにくさは「抵抗」ではなく「インピーダンス」という言葉が使われるのです。
交流では、コイルやコンデンサのような周波数によって性質が変わる部品も関わってくるため、
それらをすべて含めた「見かけの抵抗」として「インピーダンス」と呼びます。
「インピーダンス ≒ 抵抗」でOK
とはいえ、初心者のうちは
「インピーダンス ≒ 抵抗」
くらいの認識でOKです!
インピーダンスが高い=電気が流れにくい、ということですね
たとえば:
インピーダンスが低い → 電気が流れやすい(抵抗が小さい)
インピーダンスが高い → 電気が流れにくい(抵抗が大きい)
と捉えることができます。
「エレキギターはインピーダンスが高い」ってどういうこと?

インピーダンス≒電気の流れにくさ…。それはなんとなくわかったけど、エレキギターはインピーダンスが高いというのはどういうことでしょうか?
それは、エレキギターの信号を作り出すピックアップの仕組みと深く関係しています。
ピックアップは、細い導線を何千回も巻いたコイルで構成されていて、弦の振動で磁束が変化し、微弱な電圧が発生します。
このコイルは「導線が長くて細い」ため電気が通りにくく(=抵抗が大きく)、さらにコイル特有の性質によって交流信号が流れにくくなる性質を持っています
これにより、ピックアップは構造的に出力インピーダンスが高くなるという特徴を持っています。
つまり、ギターの信号は電流をあまり流せない状態となります。
インピーダンスが高いと何が問題なのか?
インピーダンスが高いと、同じ電圧でも大きな電流を流すことができず、また接続先の影響を受けやすくなります。
例えば出力インピーダンスが高いと、以下のような問題が起こりやすくなります:
- 長いシールドケーブルによる高域の減衰
- 接続先の機器(アンプやエフェクター)の影響を受けやすくなる
- 外部ノイズに弱くなる
さらにもうひとつ重要なのが「インピーダンスマッチング」という考え方です。
これは、出力側と入力側のインピーダンスのバランスが悪いと、信号がうまく伝わらずに劣化してしまうという現象を指します。
ギターやオーディオ機器では、「出力インピーダンスは低く、入力インピーダンスは高く」という関係が理想的です。
これを「ロー出し・ハイ受け」と呼んだりもしますね。
この辺りの詳細はまた改めて別記事にしようと思います。
接続先の影響を受けやすいというのがどういうことかについて説明予定です。
バッファの必要性

クリーンブースターなどバッファ用のペダルをボードの最初に入れている人、よく見かけますよね。
ここまでの話を踏まえると、なぜバッファが必要なのかが見えてきたのではないでしょうか。
信号の劣化
エレキギターの信号は、ハイインピーダンスで非常に微弱です。
このまま長いシールドケーブルを通したり、トゥルーバイパスと呼ばれるバッファを通らないエフェクターを何台も繋いでいくと、高域が失われたり、信号が劣化してしまうことがあります。
その結果…
- 音がこもる(高音が失われる)
- アタック感がなくなる
- 音量が小さくなったように感じる
といった「音痩せ」と呼ばれる現象が起こってしまうのです。
バッファの役割
そこで登場するのが バッファ です。
バッファは、ギターのようなハイインピーダンス信号をローインピーダンス信号に変換してくれる回路です。
簡単に言えば、電圧(信号)はそのままに、より安定して電流を流せるようにしてくれる装置です。
この変換によって、長いケーブルや複数のエフェクターを通しても信号が劣化しにくくなり、
音の明瞭さやハリ、輪郭を保ったままアンプに届けることができます。
ボードにバッファは絶対に必要?
バッファ、めっちゃ大事じゃん!
バッファ用のエフェクターが必要なんだ!
今すぐ買わなきゃ!…と思った方、ちょっと待ってください。
実は、すでにあなたのボードにはバッファがあるかもしれません。
どういうことかというと…
- 多くのエフェクター(特にBOSSなど)は、OFFの状態でも内部でバッファ回路を通る設計になっています(=バッファードバイパス)。ペダル型のチューナーも!
- エフェクトON時には、ほとんどのペダルが信号を一度増幅・変換しているので、その時点でバッファと似た効果を得ている場合が多いです。
つまり、「バッファ専用のペダル」を必ずしも別で用意しなくても、実質的にバッファの役割を果たしている機器は意外と多いのです。
トゥルーバイパスだけを大量に繋いでいる場合は要注意!
バッファが必要かどうかは、
「今のボード構成で信号が劣化しているか?」
「音が痩せていると感じるか?」
で判断するのが良いです。
特に以下のような構成では、バッファの導入を検討してもよいでしょう:
- トゥルーバイパスのエフェクターを3台以上直列に繋いでいる
- シールドケーブルの合計が6m以上ある
- 「なんか音がこもる/元気がない」と感じている
※ 数値はあくまで目安です
まとめ
インピーダンスについての解説を行いました。
ギターが「ハイインピーダンス機器」であることの意味、伝わったでしょうか?
ここまでの内容を理解しておけば、
「インピーダンスマッチング」や「ロー出し・ハイ受け」といった、多くの人がつまずきやすいポイントを理解するうえでも、きっと役に立つはずです。
これらの考え方はもう少し踏み込んだ内容になるため、
詳しくは別の記事で丁寧に解説していく予定です。
またぜひそちらもあわせて読んでみてください。



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