ギターやエフェクターにも使われている部品であるコンデンサという部品
「音が変わる」「古いビンテージのほうが良い」など、中には数千円、数万円もする高級コンデンサを集めているコレクターもいます。
でも、ふと疑問に思いませんか?
「そもそもコンデンサって何?なんで音が変わるの?」
「ギターのトーン回路の中で何をしているの?」
「高いコンデンサって本当に意味あるの?」
そんな素朴な疑問に答えるべく、
コンデンサの仕組みや役割をやさしく解説していきます。
最初はピンとこないかもしれませんが、コンデンサが“何をしているのか”が何となくでもつかめるきっかけになれば嬉しいです。
また後半ではギターやエフェクターで重要となるトーン回路についても解説しています。
コンデンサって何をしている部品?
コンデンサは一言でいうと、「電気を一時的にためることができる部品」です。
電気のバケツのようなイメージで、コンデンサを使うことで瞬間的に電気を蓄えたり放出したりすることができます。
非常に単純なコンデンサという部品ですが、使い方を工夫することで特定の周波数の信号を遮ったりするフィルターとして使うことができます。ギターやエフェクター、オーディオ機器に必須の部品となります。
コンデンサの仕組み

コンデンサの構造
下の図はコンデンサの回路図記号になります。
コンデンサは正しくこの図のイメージ通りで、2枚の金属板の間が並行に向き合うような構造になっています。真ん中の2つの縦線が金属板、横線が電源や他の回路に繋がる配線です。

実はコンデンサ、2枚の金属板が直接つながっていない構造なので、「これじゃ電気は流れないのでは?」と思ってしまいますよね。
実はその通りで、直流(DC)に対しては電気は流れません。電気は通り抜けることができないのです。
ところが、交流信号(AC)、つまりギターの音のように電圧が時間とともに変化する信号は、
コンデンサを“通っているように”振る舞うことができます。
直流は電気を通さない?
直流(DC)に対して電気を流さないとはどういうことでしょうか?
たとえば、片方の端子にプラスの電圧がかかったとしましょう。
すると、片側の金属板にはプラスの電気が溜まっていきます。
それに引き寄せられるように、もう一方の金属板にはマイナスの電気が集まります。
まるで磁石が引き合うように、プラスとマイナスの電気が互いに反応し合っているわけですね。

この瞬間だけを切り抜けば、実質電気が流れていると捉えることができます。
下図のコンデンサ右側を見てみます。
マイナスの電気が右から左に流れてきたということは、実質左から右へプラスの電気が流れたということになるからです。

しかしバケツ溜めれる水の量に制限があるのと同様、金属板に貯めておける電気の量は決まっています。
結果、金属板に貯められるだけ貯めて満タンになったらそこで電気の流れはストップします。

最初の一瞬は電気が動いても、満タンになると止まってしまう。 これが「直流ではコンデンサは電気を通さない」と言われる理由です。
交流だと電気を通す?
一方で、交流(AC)のように電圧が時間とともに変化する信号では話が変わってきます。
たとえばギターの出力信号のような音声信号は、プラスとマイナスが交互に入れ替わる波のような電気です。

これは、電圧がプラスの時には左から右へ、マイナスの時には右から左へ流れるということになります。
この場合、電気が一定方向に流れ続けるのではなく、一定時間ごとに流れる向きが交互に入れ替わります。

電気がコンデンサにたまる前に電圧の向きが反転してしまうため、 常に電荷が移動し続ける状態が保たれます。結果として「電気が通っているように見える」わけです。
これが「交流ならコンデンサは電気を通す」と言われる仕組みです。
コンデンサの性質
ここまでで、コンデンサが電気を一時的にためることができる部品であり、
直流(DC)は通さず、交流(AC)に対しては「通っているように見える」ことがわかりました。
実は、コンデンサはすべての交流信号を同じように通すわけではありません。
低い音は通りにくい?
コンデンサにはもう一つ重要な性質があります。
それは、
低い周波数の信号は通しにくく、
高い周波数の信号は通しやすい
という性質です。
この性質こそが、ギターやオーディオ機器の音作りにおいて重要なポイントになります。
低い音を通しにくい理由
低い音(低周波)の場合、電圧がプラスからマイナスに切り替わるまでの周期が長くなります。
つまり、電気の流れる向きが変わるまでの時間が長いということです。
この時間が長いということは、コンデンサに電気をため続ける時間も長くなることを意味します。
しかし、コンデンサには電気をためられる量(容量)に限界があるため、
長時間ため続けようとすると限界に達してしまい、電荷の移動が起こりにくくなります。
これにより、低い周波数は通しにくくなるのです。
逆に、高い音では電圧の向きがすばやく切り替わるため、
コンデンサに電気がたまりきる前に放出されるという動きが繰り返されます。
そのため、コンデンサは高周波の信号を通しやすくなるのです。

トーン回路の仕組み

ローパスフィルター
この性質を活かしたのが、ギターに搭載されているトーン回路です。
ギターのトーンノブを回すと、音がこもったり高音がカットされたように感じますよね。 これは、コンデンサが高い周波数の信号だけを逃がしているために起こる現象です。
一般的なパッシブトーン回路では、コンデンサと可変抵抗(ポット)が組み合わさって、 高周波成分だけをグラウンドへ逃がす仕組みになっています。
つまり、
- ノブを回すとコンデンサに信号が多く流れるようになる
- コンデンサは高音だけを通す
- その高音がグラウンドに抜けることで、結果的に高音がカットされる
というわけです。
この仕組みを「ローパスフィルター」と呼びます。低い(ロー)信号だけを通す(パス)仕組みです。 低音は通して高音をカットするので、音がまろやかに、またはこもって聴こえるようになります。
このように、コンデンサはトーンの変化を生み出す非常に重要な役割を担っているのです。
実際のトーン回路を見てみよう
これまでコンデンサの役割について学んできましたが、 ここまでの理解があれば、ギターのトーン回路もぐっと分かりやすくなります。
下の図は、ギターのトーン回路をすごーーく簡略化したものです。 図の左側にある信号源はギターのピックアップ、 中央下の抵抗がトーンポット(可変抵抗)を表しています。
このトーンポットを回すことで、音の高域成分(ハイ)が徐々に削られ、音が丸くなっていきます。

ピックアップから出力される信号のうち、 高い周波数の成分(=高音)はコンデンサの方に流れやすくなります。
そして、トーンポットの抵抗値を変えることで、その“どれだけ流すか”を調整できます。
コンデンサ側に流れた信号は、出力ジャックには届かずグラウンドへ逃げていき、結果的に外に出てくる音から高域が削られた、というわけです。
単純な構成ですが、 この回路によってギターの音色に多様な表情を加えることができるのです。
まとめ
コンデンサの役割、理解できましたでしょうか。
コンデンサは電気を貯めるバケツのようなもので、直流は通さず、交流(=音の信号)は通すという特性を持っています。
そして何より、低い周波数は通しにくく、高い周波数は通しやすいという性質があります。
この性質を利用したのがトーン回路で、ギターやエフェクターにおいて活用されています。
また「高いコンデンサは意味があるのか?」という点についても少し触れておきます。
基本的な音の変化の原理自体は、安いコンデンサでも高いコンデンサでも同じです。
ただし、
- 材質によって微妙な音のニュアンスが変わる
- 経年変化による特性の変化(ビンテージ感?)
- ノイズの乗りにくさや耐久性
といった要素が絡むことで、ちょっとした違いがあるのも事実です。
本当に微妙な違いだとは思いますが…
ぜひご自身の音作りにも活かしてください!




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