エフェクターボードを自作するとき、あれも使いたい、これも外せない…。気づけばエフェクターボードがどんどん巨大化してしまう、そんな経験あると思います。
エフェクターが増えるほど表現の幅は広がりますが、機材が増えれば増えるほどノイズやトラブルのリスクも増えていきます。「本番直前に音が出ない」「原因が分からないノイズが鳴り続けている」――そんな経験をした人も少なくないはず。
だからこそ、ノイズに強く、トラブルにも動じないエフェクターボードを自作するためのポイントをあらかじめ押さえておくことが大切です。
本記事では、トラブルの少ないボード作りのための5つの実践ポイントを厳選してご紹介します。
エフェクターボードの組み方のポイント5選
早速ですが、ノイズやトラブルに強いエフェクターボードを作るためのポイントを5つに絞ってご紹介します。
- 配線のループは小さくする
- パワーサプライと信号経路は離す
- ジャック類に加わる力を意識する
- ケーブルやエフェクターはしっかり固定する
- 電源はアイソレートされているものを選ぶ
それでは、順に詳しく解説していきます。
① 配線のループは小さくする

1つ目のポイントは「配線のループは小さくする」です。
ボードが大規模になり、スイッチャーやジャンクションボックスを使うようになると、気づかないうちに「グラウンドループ」と呼ばれるループ状の配線を作ってしまっていることがあります。
グランドループって何?
「グランドループ」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
これは、エフェクターボード内の配線がループ状になっていると、その部分でノイズが発生しやすくなる現象のことを指します。
とはいえ、一言で「グランドループ」と言っても、その原因は一つではありません。
たとえば、交流の電源ラインから発生する磁界をループが拾ってノイズになるケースや、大元の電源を複数箇所から取っていることで、機器ごとにグランドの基準がズレてしまうケースなど、要因は複数あるかと思います。
今回はそのあたりの詳細な理屈は割愛しますが、特にエフェクターボードの構築でよく言われるグランドループは、エフェクターやアンプ、ギターなどが共有しているグランドの経路がループ構造になってしまうことで、周辺環境や電源由来のノイズが回り込みやすくなるという現象のことです。
具体例:スイッチャー
グラウンドループができてしまうエフェクターボードの例を、実際に見てみましょう。
まずはわかりやすい例として、スイッチャーなどを使ってセンド&リターンでペダルを接続している場合を考えてみます。
下図の左側はグラウンドループが大きくなってしまっている例、右側はループを小さく抑えた例です。
エフェクターのインプットとアウトプットの線を近づけてまとめることで、ループの面積を小さくできます。

具体例:ジャンクションボックス
次に、少し見落としがちな例として、ジャンクションボックスを使用して入出力をまとめている場合を見てみましょう。
ジャンクションボックスを使えば、入出力の整理ができて便利ですが、入力と出力の接続先が物理的に離れている構成になりやすいため、グラウンドループが形成されやすくなることがあります。
もし入力と出力を物理的に近づけてまとめることができるのであれば、極力そうすることでグラウンドループを抑えることができます。
ジャンクションボックスを使うときも、グラウンドの流れやループの構造を意識した配線を心がけましょう。

② パワーサプライと信号経路は離す

2つ目のポイントは「パワーサプライと信号経路は離す」です。
パワーサプライ(ACアダプターや電源ケーブルを含む)と、ギターの音が流れる信号経路は、できるだけ物理的に離して配置しましょう。
パワーサプライは、壁のコンセントなどから供給される交流電源を直流に変換する装置ですが、同時に電磁ノイズや高周波ノイズの発生源にもなりやすいです。
そのため、信号ケーブルが近くを通っていると、ノイズが音に混入してしまう可能性があります。

③ ジャック類に加わる力を意識する
2つ目のポイントは「ジャック類に加わる力を意識する」です。
ジャックにストレスを与えすぎない
下記の写真は、以前ノイズや接触不良にお悩みのお客様からご相談を受けた際のボードの例です。
写真では分かりにくいのですが、ジャック部分に大きなストレスがかかっており、それが原因で接触不良を引き起こしていました。

パッチケーブルや電源ケーブルなどのジャックに過度な負荷がかかると、
- 接触不良が起きやすくなる
- ケーブルの劣化が早く進む
といった不具合の原因になります。ケーブルを無理に曲げたり、強く引っ張ったりしないよう注意しましょう(特にソルダーレスケーブルの場合は要注意)。
ジャックが抜けにくいように意識する
さらに、パッチケーブルや電源ケーブルが抜けにくいような配線にすることも重要です。
例えば、下図左のようにケーブルをピンと張った状態と、右のように少したわみを持たせて接続した状態では、左の方がプラグが抜けてしまうリスクが高くなります。
セッティングや運搬の際、エフェクターに対して左右どちらかに引っ張る力が加わることがありますが、ケーブルを真っ直ぐ張った状態だとその力が直接ジャックに伝わりやすく、抜けやすくなるのです。

特にすのこ型のボードを使用している場合、裏側にケーブルを回す際にジャックを引っ張るような力が無意識にかかってしまうことが多いため注意が必要です。
プラグが抜ける方向にテンションがかかっていないか、常に確認しながら配線しましょう。
④ ケーブルやエフェクターはしっかり固定する
4つ目は「ケーブルやエフェクターはしっかり固定する」です。
これはとても基本的なことですが、ケーブルやエフェクターはきちんと固定するようにしましょう。
エフェクター本体はもちろん、パッチケーブルや電源ケーブルなども、横着せずにきちんと固定することが大切です。
ケーブル類の固定には、結束バンドと結束バンド用ベース(タイマウント)を使用します。
結束バンドは長さ100mm程度あれば十分です。
ベースは裏面が両面テープになっているタイプが一般的で、固定したい場所に貼り付けて、そこにケーブルを結束バンドで通して固定します。
また、エフェクター自体の固定に、最近は3Mの「デュアルロック」がよく使用されている気がします。
通常のマジックテープよりもしっかりと固定されるため、安心感があります(※価格がやや高めなのが難点ですが…)。
⑤ 電源はアイソレートされているものを選ぶ
最後は「電源はアイソレートされているものを選ぶ」です。
パワーサプライには、以下の2種類があります:
- グランドがアイソレートされているタイプ
- グランドが共通のタイプ
小規模なエフェクターボードであれば、どちらを使っても大きな問題が発生しないことが多いですが、大規模なボードになってくると話は別です。
グランドが共通のタイプを使うと、グランドループなどのノイズトラブルが発生しやすくなります。
一方で、グランドがアイソレートされたパワーサプライを使用すれば、多少雑に配線してもグランドループが問題になりにくい傾向があります。
絶対にアイソレートされているタイプでないといけないという話ではないのですが、極力そのようなものを選ぶ方が安心です。
まとめ
今回ポイントを5つピックアップしてご紹介しましたが、いかがでしたか?
ボード構築の際に、ぜひ活用してみてください!




コメント