【エレキ内部解剖】エレキギターのコントロール系統を徹底解説〜テレキャスター編〜

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エレキギターの「つまみ」や「レバー」。
普段から当たり前のように使っているけれど、それらのコントロールがどんな仕組みで音に影響しているのかまでは意外と知られていないかもしれません。

本記事ではテレキャスターを例にして、ボリューム・トーン・ピックアップセレクターの基本的な役割から、内部の配線や回路構造までを丁寧に解説していきます。

  • 初心者の方にとっては、「つまみ」や「レバー」の正しい使い方や意味が理解できる内容に
  • 経験者やDIY派の方にとっては、改造やメンテにも活かせる中身重視の構造理解として

ギターの音作りを支えるコントロール回路の仕組みと理由を、図解と一緒にじっくり見ていきましょう。

テレキャスターの基本的なコントロール構成

テレキャスターのコントロールプレートには、次のような構成があります。

  • ボリュームノブ(1個)
  • トーンノブ(1個)
  • 3Wayピックアップセレクター

表面は非常にシンプルですが、裏を開けると意外と複雑な世界が広がっています。

ボリュームノブ

「音量を上げ下げするノブ」です。信号の出力レベル全体を調整する重要な回路です。

  • ノブを右に回す → フルボリューム(信号をそのまま出力)
  • ノブを左に回す → 徐々に音量が小さくなる(信号を減衰)

実はただ単に「音を小さくする」だけでなく、回路構成によっては音質(特に高域)にも影響を与えるため、サウンドキャラクターにも直結します。

トーンノブ

トーンノブは、ギターの高音域(トレブル成分)をカットするフィルターの役割を担っています。
いわゆる「こもった音」「丸い音」にしたいときに使います。

  • ノブを右に回す → 高音域がそのまま出力され、シャープな音に
  • ノブを左に回す → 高音域が削られ、やわらかい音に

音の明るさや抜け感を調整するのに欠かせない存在です。特にクリーントーンでの表現力に大きく関わります。

ピックアップセレクター

テレキャスターには2つのピックアップ(フロントとリア)が搭載されており、セレクターによってそれらを切り替えることができます。

  • 前(ネック側)ポジション → フロントピックアップ(太く、やわらかい音)
  • 真ん中ポジション → フロントとリアのミックス(バランスの良い音)
  • 後(ブリッジ側)ポジション → リアピックアップ(鋭く、ハリのある音)

演奏中に素早く音色を切り替えることができ、ジャンルを問わず重宝される操作系です。

これら3つのシンプルなコントロールによって、テレキャスターは幅広い音作りに対応できるギターとなっています。
しかしそれを可能にしているのは、見えない内部の回路構成なのです。

このあと、実際に中を開けてその構造を詳しく見ていきましょう。

テレキャスターの内部構造を見てみよう

ここからは、実際にテレキャスターのコントロールプレートを開けて、中でどんなパーツがどう繋がっているのかを詳しく見ていきます。

今回は著者が自作したギターを例に、コントロールプレートの中身を見ていきましょう。

開けてみる…

開けるとこんな感じです。

写真の一番上に見えるのが、ピックアップの信号を切り替える3Wayセレクターです。

その下には、可変抵抗(ポット)とトーン用のコンデンサが取り付けられています。

また、黒と白のねじれた線が見えると思いますが、これはピックアップとコントロール系統をつなぐ配線です。
ここを通じて、弦の振動から生まれた電気信号がボリュームやトーン回路に送られます。

写真手前の黒くて太い線は、出力ジャックにつながる配線です。
コントロール回路を通った信号は、ここからシールドケーブルを通じてアンプに送られます。

ピックガードを外すとピックアップと接続されているのが確認しやすくなります。

エレキギターの電気系統はこれだけなので、かなり単純ですね。

信号の流れ

ピックアップで音が発生してから出力ジャックに出ていくまでの流れは下記の通りです。

ピックアップ
 弦の振動を電気信号に変換し、音の信号を発生。

3Wayセレクター
 どのピックアップ(フロント/リア/両方)から信号を受け取るかを選択。

ボリューム&トーン回路
 音量や音色(高域の量)を調整。
 トーン回路にはローパスフィルターが使われる。

出力ジャック
 最終的にエレキギターの信号は、ここからアンプやエフェクターへと出力。

テレキャスターの回路

ざっくりですが、下記が基本的な回路図になります。

トーンコントロール

トーンコントロールは、可変抵抗器とコンデンサを組み合わせたローパスフィルター回路です。
このフィルターが、高域だけをコンデンサを通してグラウンドに逃がすことで、音が「こもった」「丸くなった」ように感じられる仕組みになっています。

  • ノブを右に回す → フィルターが効かない → 高音がそのまま出力
  • ノブを左に回す → フィルターが効く → 高音が削られる

使用されるコンデンサの値はシングルコイルのピックアップでは0.047μFが定番です。
この数値を変えるだけでも、トーンの効き方が大きく変わります。

コンデンサやローパスフィルタについて詳しくは下記で解説しておりますので、よければご覧になってください。

ボリュームコントロール

ボリュームコントロールは、信号の出口(出力ジャック)に直列でつながった可変抵抗器によって構成されています。

  • ノブを右に回す → 抵抗値が低くなり、信号が素直に流れる → 音量が大きくなる
  • ノブを左に回す → 抵抗値が高くなり、信号が減衰 → 音量が小さくなる

つまり、信号の通り道の幅を調整しているような感覚です。

また、テレキャスターによってはここにコンデンサが追加されて高域がバイパスされている場合もあります。
これはボリュームを下げたときに失われがちな高音域(トレブル)を補うためのものになります。
その場合は0.001μFが一般的です。

まとめ

テレキャスターのコントロール系の解説を行いました。
シンプルな構成ながら音作りの要となる回路がしっかり詰まっています。

  • トーンは高域を削るフィルター
  • ボリュームは出力信号の量を調整
  • セレクターはピックアップを切り替え

こうした構造を理解すれば、ただ「音が変わる」だけでなく、どうして変わるのかまで見えてきます。

ギターの中身を知ることで、演奏や改造がもっと楽しくなるはずです。

この記事を書いた人
藤原 健司

電子楽器の製作、エフェクターの修理、ペダルボードの構築などを行っています。
大手音響機器メーカー勤務を経て独立。
現在はITエンジニアとして、システム開発の事業も手がけています。

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