【エレキ内部解剖】エレキギターのコントロール系統を徹底解説〜ストラト編〜

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エレキギターの「つまみ」や「レバー」。
普段から当たり前のように使っているけれど、それらのコントロールがどんな仕組みで音に影響しているのかまでは意外と知られていないかもしれません。

今回はストラトキャスターを例にして、ボリューム・トーン・ピックアップセレクターの基本的な役割から、内部の配線や回路構造までを丁寧に解説していきます。

初心者の方にとっては、
「5Wayスイッチって何が切り替わってるの?」
「2つのトーンの違いは何?」
といった疑問が解消できる内容に。
経験者やDIY派の方にとっては、改造やメンテにも活かせる中身重視の構造理解として。

ギターの音作りを支えるコントロール回路の仕組みを見ていきましょう。

ストラトの基本的なコントロール構成

ストラトのコントロール系統は、次のような構成です。

  • ボリュームノブ(1個)
  • トーンノブ(2個)
  • 5Wayピックアップセレクター

テレキャスターと比べると、ピックアップが3つに増え、トーンノブが2個になり、セレクターも3Wayから5Wayに変わっています。
テレキャスではコントロールパネルに配線まとまっていましたが、ストラトはピックガードに直接配線が取り付けられています。

ストラトキャスターの画像

ボリュームノブ

ボリュームノブの画像

「音量を上げ下げするノブ」です。信号の出力レベル全体を調整する回路です。

  • ノブを右に回す → フルボリューム(信号をそのまま出力)
  • ノブを左に回す → 徐々に音量が小さくなる(信号を減衰)

トーンノブ

トーンノブの画像

トーンノブは、ギターの高音域(トレブル成分)をカットするフィルターの役割を担っています。
いわゆる「こもった音」「丸い音」にしたいときに使います。

  • ノブを右に回す → 高音域がそのまま出力され、シャープな音に
  • ノブを左に回す → 高音域が削られ、やわらかい音に

ストラトにはトーンが2つある

テレキャスターのトーンが1つだったのに対して、ストラトには2つのトーンノブが搭載されています。
これは、ピックアップが3つあるため、それぞれに対してトーンを個別に調整できるようにするためです。

現行モデルをいくつかチェックしてみましたが、

  • トーン1 → ネックピックアップ用
  • トーン2 → ミドル+ブリッジピックアップ用

という割り当てが多い印象です。

トーンの割り当てはモデルや年代によって異なります。
リアにトーンが割り当てられていないものもありますので、仕様を確認してみてください。

ちなみにピックアップの表記ですが、

  • ネックピックアップ = フロントピックアップ
  • ブリッジピックアップ = リアピックアップ

と表記する場合も多いです。
フロントとリアってどっちがどっちかややこしいですよね…。たまに混乱します。

ピックアップセレクター

セレクターの画像

ストラトには3つのピックアップ(フロント・ミドル・リア)が搭載されており、5Wayセレクターによってそれらを切り替えることができます。

ポジション選択されるPU音の特徴
1(ブリッジ側)ブリッジのみ鋭く、ハリのある音
2ブリッジ+ミドルブリッジとミドルの中間
3ミドルのみバランスの良い音
4ミドル+ネックミドルとネックの中間
5(ネック側)ネックのみ太く、温かみのある音

演奏中に素早く音色を切り替えることができ、5つのポジションによって多彩なサウンドを使い分けられるのがストラトの大きな魅力です。

ストラトの内部構造を見てみよう

ここからは、実際にストラトのピックガードを外して、中でどんなパーツがどう繋がっているのかを詳しく見ていきます。

テレキャスターはコントロールプレートという小さなプレートに電気系統がまとまっていましたが、ストラトはピックガード全体の裏面に配線が広がっているのが特徴です。

外してみる…

ピックガードに取り付けられた電子回路

可変抵抗(ポット)が3つ取り付けられています。下からボリューム、トーン1、トーン2の順です。
それぞれのポットからはんだ付けされた配線が伸び、5Wayスイッチや各ピックアップとつながっています。

実体配線図

Fender公式が出している実体配線図を下記から確認できます。

Fenderの実体配線図

実体配線図を見ることで、どの部品がどこにつながっているかが視覚的にわかりやすく確認できます。

補足:ピックアップから伸びるの3本の線について

ピックアップから3本線が伸びていますが、それぞれの役割は以下の通りです。

  • 白・青・赤:+の信号線(HOT)
  • 黒:ーの信号線(COLD)
  • 緑:シールド(GND)

HOTとCOLDは位相が逆の信号が出ます。
今回の回路では黒と緑はまとめてグラウンドに接続されています。

補足:5wayスイッチについて

5wayスイッチの仕組みについても説明しておきます。
下の画像のようなやつです。

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5Wayスイッチは、右端の金属板と左端の金属板が触れることで信号が流れる仕組みです。

かなり見づらいですが、左端の金属板がポジションに応じて移動していくことで、接続先が切り替わります。

端は常に導通しています。
この回路が独立した2系統として存在します(下図の赤色と青色)。
青色同士、赤色同士がそれぞれ導通します。

ストラトの回路

ここからは実際の回路図を見ていきましょう。

ストラトキャスターの回路図

回路自体はテレキャスと同様、シンプルなローパスフィルタとボリュームのみの構成です。
ネックピックアップはトーン1の可変抵抗を、ミドル+ブリッジピックアップはトーン2の可変抵抗を経由して、共通のコンデンサに接続されています

ローパスフィルターについて詳しくは下記の記事も参考にしてみてください。

まとめ

ストラトのコントロール系統を解説しました。
テレキャスターと同じエレキギターでも、ピックアップが3本になりセレクターが5Wayになることで、サウンドバリエーションが大幅に広がっていることがわかりましたね。

  • ボリュームは出力信号の量を調整
  • トーンは高域を削るフィルター(2系統)
  • 5Wayセレクターで3本のPUを5通りに切り替え

こうした構造を理解すれば、ただ「音が変わる」だけでなく、どうして変わるのかまで見えてきます。

この記事を書いた人
藤原 健司

電子楽器の製作、エフェクターの修理、ペダルボードの構築などを行っています。
大手音響機器メーカー勤務を経て独立。
現在はITエンジニアとして、システム開発の事業も手がけています。

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