【上級者向けエフェクター?】コンプレッサーの仕組みと使い方をやさしく解説

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「コンプレッサーってどうやって使うの?」
「コンプを使うと音が良くなるって聞いたけど、よくわからない…」
「SENSITIVITYとかSUSTAINとか、何が変わるのかわからない…」

エフェクターボードに組み込んでいる人も多いコンプレッサーですが、使い方がよくわからないという声をよく耳にします。

この記事では、コンプレッサーとは何か?
そしてどうやって使のかを、初心者にもわかりやすく解説していきます!

さらに、つまみの役割や接続場所、歪みエフェクターとの違いなど、実践的なポイントもしっかり押さえています。

コンプレッサーってなに?

コンプレッサー(Compressor)は、その名の通り「圧縮する」エフェクターです。
何を圧縮するかというと、音量差(ダイナミクス)を圧縮します。

これにより、音の粒が揃い、音が前に出てくるような効果が得られます。
音の変化が歪み系や空間系ほどわかりやすくないので、初心者には敷居の高い機材かなと思います。

コンプレッサー
大きい音を抑えた上で全体の音量を持ち上げ、音量差を整える機材

もともとは録音/放送のための機材

コンプレッサーは、録音スタジオだけでなく放送局でも早くから使われてきたダイナミクス処理の機材です。
アナログ時代は媒体や機材のダイナミックレンジに限界があり、演奏の音量差が大きいままだと次の問題が起きました。

  • 小さい音 → ノイズに埋もれる
  • 大きい音 → 飽和して音が歪む

こうした制約を解決するために、コンプレッサーで音量のピークを抑え、弱い部分を持ち上げることで、録音・送出レベルを安定させていたのです。

現在ではデジタル録音技術が進歩しましたが、
「聴きやすく、バランスの良い音に仕上げる」というはもちろん、音色の質感を変えたりなど、音作りの重要なツールとしてレコーディングやミックスで欠かせないものとなっています。

エフェクターとしてのコンプレッサー

そんなレコーディング用の技術が、ギター・ベース用エフェクターとしても使われるようになったわけですが、ギターでコンプレッサーを使用する場合の効果は大きく分けて3つかと思います。

  1. 弦を弾いたときの音量のバラつきを抑える
  2. サステイン(音の伸び)を長くする
  3. アタック感をコントロールして音の印象を変える

これら3つについて、詳しく解説します。

コンプレッサーの使い方

① 音量差を整える

コンプレッサーの基本的な役割は、音量のバラつきを抑えることです。

大きい音を抑えた上で、全体の音を持ち上げることで、音の粒が揃います。
さらに、音圧感が上がり、音抜けも良くなります。

カッティングやアルペジオなど、音の粒を揃える目的でよく使われます。
音抜けをよくする目的でも使用します。

② サステインを伸ばす

コンプレッサーは、音が減衰していく部分を持ち上げることで、音の伸び(サステイン)を長くすることができます。

軽く歪ませたクランチで「太さと伸び」を作る人もいますが、コンプレッサーならクリーンのまま同じ効果を得やすいです。

軽く歪ませた音はコンプに近い?

歪みペダルを歪むか歪まないかのぎりぎりの設定で使うことがあります。
これにより音を太くしたりサステインを伸ばしたりすることができますが、コンプレッサーを使用すれば音を歪ませずにこういった効果を得ることができます。

コンプレッサー → 音を歪ませずに、クリーンなまま音を調整
歪みエフェクター → 音を歪ませることで、音圧や倍音を加え調整

③ アタック感を調整する

コンプレッサーを使用することで、アタック感を調整することが可能です。

またアタックを強く出すような設定をすることで、パーカッシブな音を作ることもできます。
いわゆる「パコパコサウンド」ってやつです。

具体的には、

  • ATTACK(アタック)の時間を短く設定する
  • RATIO(レシオ)を上げて強めにかける

といった設定で、歯切れの良いパーカッシブな音が作れます。
この音は、カッティングなどで効果的です。

MXRのダイナコンプがいわゆるパコパコ系の代表的なエフェクターになります。

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コンプレッサーの接続場所

定番は「ボードの頭」

最も一般的なのは、エフェクターボードの最初(ギターの直後)に接続する方法です。

この位置にコンプレッサーを置くことで、

  • ギター本体から出る音をまず整える
  • その後のエフェクターに安定した信号を送る

という効果が得られます。

コンプレッサーを使用すると、ノイズの音が持ち上がってしまうことがあります。
歪みペダルの後ろだとノイズが増えてしまうので、ノイズ的にも初段に接続するのはおすすめです

歪み系エフェクターの後ろ

歪み系エフェクターで歪んだ音をコンプで整える、というのも有効と思います。

コンプを歪みの前に置くとピークを抑えるので、本来歪ませたかった部分が歪まなくなることがあり、歪みの質感が変えたくない場合などに有効です。
歪みの前段に繋ぐとはまた違った音質になるので、試してみる価値はあります。

ただし前述の通り、歪み系の後段だとノイズ成分が気になる場合があるので、その点は注意が必要です。

レコーディング的な使い方なら「後段」

コンプレッサーを、最終的な音質補正として使いたい場合は、エフェクターボードの最後に配置するのもありです。

これは、レコーディングスタジオでミックス時にコンプを使う発想と同じで、
すべてのエフェクトを通った後の音を整えるという使い方です。

コンプレッサーの仕組みとパラメーター

コンプレッサーのつまみはメーカーによって名称が違ったり、パラメーターの数が違います。
そのためどういった違いがあるのかいまいちよくわからない印象がある方もいるのではないでしょうか。

ここではコンプレッサーの原理にも触れながら基本的なパラメーターについて解説を行います。

基本となるパラメーターは4つ

メーカーによってパラメーターの名称や数は違うものの、コンプの基本となるパラメーターは下記4つとなります。

  • THRESHOLD(スレッショルド)
  • RATIO(レシオ)
  • ATTACK(アタック)
  • RELEASE(リリース)

THRESHOLD(スレッショルド)とRATIO(レシオ)

レシオとスレッショルドの説明図

THRESHOLD(スレッショルド)

THRESHOLD(スレッショルド)は、コンプレッサーが動き始める音量のラインを設定するパラメーターです。

  • THRESHOLDを低く設定 → 小さい音にもコンプがかかる
  • THRESHOLDを高く設定 → 大きい音だけにコンプがかかる

つまり、どれくらいの音量からコンプを効かせるかを決めるのがTHRESHOLDです。
上図だと、緑のラインを超えた音にだけ圧縮がかかります。

RATIO(レシオ)

RATIO(レシオ)は、どれくらい音量を圧縮するかを設定するパラメーターです。

たとえば、

  • RATIO 2:1 → THRESHOLDを超えた音量を1/2に圧縮
  • RATIO 4:1 → THRESHOLDを超えた音量を1/4に圧縮

RATIOを上げるほど、強くコンプがかかるようになります。
上図だと、赤い線の比率になります。

単純に圧縮するだけだと音量が下がってしまうため、圧縮して下がってしまった分の音量を持ち上げるような処理が基本的に入ります。
エフェクター自体に音量を上げるつまみ(LEVEL, OUTPUTなど)が存在します。

ATTACK(アタック)とRELEASE(リリース)

アタックとリリースの説明図

ATTACK(アタック)

ATTACK(アタック)は、音がTHRESHOLDを超えてから、実際にコンプが効き始めるまでの時間を設定します。

  • ATTACKが速い → すぐにコンプがかかる
  • ATTACKが遅い → 少し遅れてコンプがかかる

※ 最初の図では極端な例としてATTACKの時間の間は音量を全く下げていませんが、実際は設定した時間をかけて徐々にコンプレッサーをかけていきます。

設定のポイント/注意点
  • アタック成分を残せる
    適度な長さに設定することで、アタック成分を残すことができます
    アタック成分は音色の印象を決める大きな成分なので、ここが過剰に圧縮されてしまうと音色の質感を大きく変えてしまう場合がありますが、アタックを損なわずにコンプレッサーをかけることができます。
  • 長すぎは注意
    ATTACKの時間が長すぎるとコンプがほとんどかからなくなってしまいますので注意が必要です。
  • 短すぎにも注意:
    前述の通り、音色の質感を大きく変えてしまう可能性があるので短すぎにも注意が必要です。
    狙ってやるのも音作りには有効かと思います。

RELEASE(リリース)

RELEASE(リリース)は、音がTHRESHOLDを下回ってから、元の音量に戻るまでの時間を設定します。
4つのパラメーターの中では一番理解が難しいパラメーターに思います。

  • RELEASEが速い → すぐに元の音量に戻る
  • RELEASEが遅い → ゆっくり元の音量に戻る

コンプレッサーではTHRESHOLD(スレッショルド)を超えた音量に対し、RATIO(レシオ)に応じて音量を下げる動作をします。

例えば、ある瞬間に10dB減少させる処理をコンプレッサーで行っていたとします。
次の瞬間、音量がスレショルドを下回るとこの10dBの減少をやめるわけですが、RELEASE(リリース)で設定した時間分かけて徐々に減少を0dBに近づけていきます。

設定のポイント/注意点
  • 長く設定するとサステイン感が出やすい
    コンプレッサーで減少をかける時間が長くなるので直感的にはリリースが長いと音量が小さくなりそうに感じるかもしれません。
    実際は減少させている間、その分音を持ち上げる処理を入れるので、サステインを得られます。
  • 長すぎは注意
    長すぎると後ろの音にもコンプレッションが掛かってしまうため注意が必要です。
    特にバッキングの際には過度に長く設定するとリリースタイムで設定している時間由来のうなりが発生してしまうこともあるので注意が必要です。
  • 短すぎにも注意:
    短すぎると急激に音量の変化が発生して少し歪んでしまったりします。音がボソボソするようになる、と表現されることもあります。

実際のギター用コンプレッサーのつまみ

ここまで4つの基本パラメーターを紹介しましたが、ギター・ベース用のエフェクターでそこまで細かく設定できるものは多くありません
ATTACKやRELEASEの値は固定されている場合も多いです。

たとえば:

  • SENSITIVITY
  • SUSTAIN
  • COMP

などのつまみが実際のコンプレッサーには存在します。
THRESHOLDやRATIOを併せて変更するなど、複雑な設定を簡単に調整できるように設計されているため、扱いやすくなっています。

一方、レコーディング用のコンプレッサーやDAWのプラグインなどでは、4つのパラメーターを個別に細かく調整できる場合が多いです

まとめ

今回はコンプレッサーの使い方と仕組みについて解説しました。

コンプレッサーは、大きい音を抑えた上で全体を持ち上げ、音量差を整えるエフェクターです。
これにより音の粒が揃って音抜けが良くなり、サステインが伸び、アタックの印象もコントロールできます。

設定では、下記4つの基本パラメーターの解説を行いました。

  • THRESHOLD
  • RATIO
  • ATTACK
  • RELEASE

実際のギター用の実機ではSENSITIVITY、SUSTAIN、COMPといったノブで複数の要素をまとめて調整する場合が多いのですが、コンプレッサーの基本を理解しているとより使いこなせるのではないかと思います。

完全に余談ですが、コンプを初心者は使用すべきでないという話もたまに聞きます。
ダイナミックレンジが狭まって弾き易くなるので、それに慣れてしまうと上達しにくいということなのかと思います。

個人的には初心者でも理解した上で使ってみるのは問題ないのではないかと思います。
実際に使ってみないと、いつまで経っても使いこなせないですしね。

この記事を書いた人
藤原 健司

電子楽器の製作、エフェクターの修理、ペダルボードの構築などを行っています。
大手音響機器メーカー勤務を経て独立。
現在はITエンジニアとして、システム開発の事業も手がけています。

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